CBSドキュメントより深夜にTBSで送られる「CBSドキュメント」の番組が好きだ。 今までに購入したものの中では、グラミン銀行でノーベル平和賞を受賞された『ムハマド・ユヌス自伝』やサヴァン症候群で数字に関して天才的な能力を発揮するダニエル・タメットの『ぼくには数字が風景に見える』など、評伝ものが多いようだ。 そして今回私が購入し、貪るようにして読んだ1冊は、ボブ・ドローギン著の『カーブボール』。ここで云う「カーブボール」とは、所謂野球のカーブボールではなく、その特性を表す「クセダマ」などの意味からとられたコードネームを付けられたある男のことを指している。 9.11のテロを封切りとし、その後アメリカがイラク戦争へと突き進んで行ったことは、記憶に新しいだろう。しかも、国連による査察団やその他の情報で「イラクは大量破壊兵器を保持していない」とされたのにも関わらず、「保持している」と断じてアメリカが戦争に突入した経緯はなんだったのだろうか? と、思っていた人は少なくないだろう。かく言う私も、「どうせ石油が欲しいんでしょう? アメリカの国益の為じゃない?」なんて思っていた。 実際にはそんなに単純なことではなく、もっと複雑な思惑が絡み合ってこの戦争が始まったのだ。しかし、その責任の大きな一端を担っていたのが、この「カーブボール」と呼ばれた1人のペテン師だった。 「カーブボール」と呼ばれた男、イラク人のアルワンは、しきりにドイツへと政治亡命をしたがっていた。そして、嘘をついてまで世界を騙すことにしたのだ。その嘘に踊らされた人たち、その嘘を利用した人たち、国家。。。 それらがどのようにブレンドされて今日のイラクの現状があるのかを、この500ページ余りの本が飽きさせることなく教えてくれるだろう。「事実は小説より奇なり」というが、そんな言葉も納得の1冊である。 |
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