ジョン・ル・カレ 

投稿者:chica

久しぶりの更新です。

ここんとこ、仕事で実用ビジネス系の本ばかり紹介していたので、プライベートではちょっと重めのフィクションにどっぷりハマっていました。重いフィクション。。。 ル・カレの『サラマンダーは炎のなかに』は、なかでもどっしりと重ーい空気を運んでくれる1冊。

題名は一見して、「火の精は炎のなか」なんて、ちょっとハーレクイン調な気がしますが、いやいや読んでみると、やっぱりル・カレは健在。心の底からアメリカ帝国主義を憎んで、ペンによって断罪しているのがよく判る。本当に嫌いなんだな。

内容は、二人のスパイ、マンディとサーシャの友情と戦いの話。ベルリンの壁崩壊以前の二人の出会いから、9.11以降のテロに対する取り組みがベースに描かれている。

微に入り細を穿つ筆致で綴られる前半に、少々食傷気味だったのに、後半にはいってからは、もう止まらない。ル・カレは、まるで山登りをしたときのような読後感を残す作家だ。登っている間は淡々と険しく。でも、頂上についたときの達成感と爽快感を届けてくれる。

アメリカ初の黒人大統領に湧く世界の中で、ル・カレはどんな作品を送り出そうとするのだろう?今後も目が離せない作家である。



コメント/トラックバック 

現在、この記事へのコメント、トラックバックは受け付けていません。